株式会社サンファミリー 様
配車板のデジタル化を入り口にDXを推し進める

「日またがり」への対応、複雑な全温度帯の配車でヒューマンエラーをゼロに
日野営業所 運輸課
運輸課長 藤浪 直樹 様(左)
運輸1係 主任 野島 洋人様(中央)
運輸1係 主任 水越 宏之様(右)
2024年9月 日野営業所へTradissを導入。
DX推進の「入り口」として、配車板2枚のデジタル化を実現。
24時間365日配送、170名のドライバーと全温度帯の複雑な配車表示のデジタル化
日野営業所の配車業務の特徴について教えてください。

運輸課長 藤浪 直樹 様
藤浪様:当営業所では常温と定温(冷蔵/冷凍)の2つの温度帯の配送を行っています。大手コンビニエンスストア、ファミリーマート様の各店舗に、常温は一日に1便を週6日、定温は朝昼夜の3便を毎日運行しています。ドライバーは170名以上、車両は約120台です。
水越様:私が配車を担当している常温は、ある程度は配送が固定されています。ただし、日曜日の配送が無い関係もあって積荷が増える月曜日は、全体的に15分ずつ前倒しして配車計画を立てるなど煩雑さもあります。また季節ごとの変更もあります。
Tradissを導入する以前はどのように配車計画を掲示していたのですか?

運輸1係 主任 水越 宏之様
水越様:Excelで週次の配車計画を作ります。毎日深夜0時〜4時の間には、ホワイトボードにドライバー名が書かれたマグネットを貼って翌日の予定を掲示していました。月曜のみ時間を15分ずつ変更する必要があるので記入も大変時間がかかりました。そこで「8:00」や「8:15」といった時間帯のマグネットも用意していたくらいで、数百枚ものマグネットを使用していました。Excelの配車計画を見ながらホワイトボードに貼るのに30分はかかっていましたね。
野島様:私は定温の配車を担当していますが、常温と比較すると車両を固定化できない部分が多く、前日や前々日にExcelで配車計画を立てます。朝の1便、昼の2便、夜の3便とあるのですが、1便を担当したドライバーは2便には乗車せずに3便に乗ります。ドライバーの残業時間や負荷の偏りにも配慮が必要です。毎日A3の用紙3枚に各便の配車表を印刷して掲示していました。
藤浪様:常温との大きな違いに「日またがり」があります。これは、深夜帯の配送を担うドライバーは、出勤日が「今日」であっても、勤務終了時刻は日付が変わった「明日」になるということです。1日の配車を掲示する際、常温は「1日単位」で区切れますが、定温は「今日の配車」が「明日まで」続くのでより複雑です。
Tradissの導入、搬入日に撤去されたホワイトボード
Tradissの導入はどのような経緯だったのですか?

オフィスに設置された2台の大型モニターに定温・常温の配車情報を表示する
藤浪様: Tradissの最初のデモは2024年2月頃です。当時の所長がグループ会社や世田谷サービスさんから紹介を受けたのがきっかけでした。
そして導入が決まり、大型モニターの搬入日には、ホワイトボードが廊下へと撤去されました。あれはもう使わざるを得ないと言いますか、「DX化・システム化を進める」という上層部の強い意志を感じました。
導入時にはご苦労があったのではないでしょうか

運輸1係 主任 野島 洋人様
水越様:当社の配車は複雑な部分もあり当初は試行錯誤しながら進めました。日本情報システムさんにはコースやドライバー、車両などの初期登録をしていただき、とても助かりました。その後、イレギュラーな運行や車両点検などの情報もドライバーが分かりやすく確認できるよう、入力や表示の工夫を重ねています。
野島様:私も操作に慣れるまでは自分でどんどんシステムを触って試しながら覚えていきました。
複雑な定温配車業務への対応 試行錯誤を経て本格稼働へ
複数の温度帯など複雑な配車がありますから特に大変ですよね

右:奥から 藤浪様 水越様 野島様、左:岸
藤浪様: 常温は導入直後から利用を比較的容易に開始できましたが、定温の「日またがり」対応は難航しました。何度も打ち合わせと改修を重ね、2025年9月から本格稼働できるようになりました。私たちの要望を伝え、日本情報システムさんに対応してもらい、テストして再度要望を出す、まさに協働で作り上げた形です。
岸(日本情報システム 営業): グループ機能を提供することで実現しました。サンファミリー様をはじめお客様のリアルなご要望を取り入れてTradissを進化させています。クラウドシステムのため、追加費用なく即時で新機能を利用いただける点も評価いただきました。
Tradissでヒューマンエラーがゼロに 電話連絡の負担からも解放
Tradiss導入後、どのような効果を感じていますか?
水越様:以前は、Excelからホワイトボードへ転記する際にヒューマンエラーが発生していました。休暇中のドライバーに誤って配車してしまうことも月に数回ありました。しかしTradissでは、シフトデータと連携しているため、休暇中のドライバーは赤枠で表示されます。ミスに気づいて未然に防げる点は、デジタル化の非常に大きなメリットです。
野島様:配車変更のたびにドライバーへ電話していたのですが、Tradiss導入後はメール送信機能と開封確認があるため、ほとんど電話をしなくなりました。以前は毎日3〜4本電話していましたが、今はほぼゼロです。
実はドライバーというのは人との関わりを最小限にしたい傾向の方が割と多いのです。休暇中の電話連絡を嫌がる方も多いですし、地味ですが電話が必要なくなったのは意外と大きなメリットですね。
ドライバーの皆様の反応はいかがでしょうか?
水越様: 常温は比較的固定コースが多いですが、15〜20%ほどは日々異なるコースに入る「フリー」ドライバーです。以前はホワイトボードで自分の名前を探す手間がありましたが、Tradissでは事前にメールでコースを通知できるため、その手間がなくなりました。
Tradiss導入後、私は18時〜21時の間にメールを送信するように決めているのですが、時間が遅れると、コース確認の問い合わせが来るほどドライバーにも浸透していますね。
野島様:定温の方は、導入開始から日が浅いせいか、ドライバーがモニターの3便の表示の切り替え操作にまだ戸惑いがあるようです。
藤浪様:モニターを触ってはいけないと思っているのかもしれません。モニターの複数構成や運用面での工夫も含め、さらに改善していきたいです。
Tradissで次に目指すこと
今後の展望やTradissへの期待を教えてください。
藤浪様: 将来的に、現状Excelの手作業でやっている配車部分を完全でないにせよ、ある程度まで自動化したいです。日々の配車をデータベースに保存しておいて加工して活用するなど、Tradissで配車まで行えるというのが理想です。
岸: 車両・コース・ドライバーの組み合わせを登録し、システムが候補を提案する仕組みを検証中です。業務の大半を自動化し、最終調整を人が行う運用を目指しています。また、基幹システムとのデータ連携の実現も視野に入れています。Tradissを入り口に、さらなるデジタル化推進をサポートできればと考えています。
水越様: 将来的に既存システムのデータをTradissに取り込めるようになれば、総務部門の負担軽減につながりますし、配車担当としてもドライバーの勤務状況をより把握しやすくなり、とても魅力的ですね。
私たち管理担当は、ドライバーの立場で考え、働きやすい環境づくりを優先しています。どうあればストレスなく働きやすいのか、そのために必要なことに時間や労力を掛けたいので、システムで効率化を進めたいです。
野島様:私も同じ思いです。私もいつもドライバー視点でいるようにと心がけています。
藤浪様:管理者が何人いてもドライバーがいなければ成り立ちません。ドライバーの理解を得ながら共にデジタル化を進めていくことが重要です。
Tradissはお客様の声に寄り添い、共に創りながら、柔軟かつスピーディに進化を続け、物流を力強く支えていきます。
企業情報
株式会社サンファミリー様
2003年の創業以来、関東・東海・東北・信越の21拠点を基盤に、大手コンビニや食品工場へ全温度帯の商品を24時間365日届け、日本のロジスティクスを支える企業です。
「安全はすべてに優先する」を合言葉に、社員の安全と能力開発に積極的に注力。社員と家族の笑顔を大切にしつつ、「社会インフラ」として高品質な物流サービスを提供し続けています。
TEL:048-948-7813
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